オレンジスピリッツ

オレンジスピリッツ

「オレンジクラブ」は、高次脳機能障害の当事者、そしてそれを必死に支えている御家族の力になりたい、そんな思いで、2004年に東京医科歯科大学難治疾患研究所の中村俊規教授(現、表参道こころのクリニック院長)をはじめとした少数精鋭の専門家とともに立ちあげた、当事者・家族ボランティア支援プログラムです。今振り返ってみると、あれこれ議論を重ねるより、まずは実践してみてから考える、出来ることから始めそれを伸ばすという精神が、当初から現場に息づいていたように思います。


その後、「オレンジクラブ」の活動は、東京慈恵会医科大学附属病院、そして、オレンジクラブ⇔ VIVID のリハビリ公開講座へと引き継がれ、2012年4月よりNPO法人高次脳機能障害支援ネットによる「高次脳機能障害ファシリテーター養成講座」へと進化をとげました。


自分に障害がある人も、同じ障害に苦しんでいる人を助けることができます。むしろ、同じ障害だからこそ、助けることができるのです。患者や周囲の人々は、障害があることを嘆き苦しむあまり、何とかもと通りに戻ることばかりにこだわってしまいがちになります。しかし、リハビリテーションの本当の意味は、もと通りに戻ることではなく、そのような苦難に出会ったときに、いかにそれと向き合い、自分自身が、今日、明日から何ができるかを問いかけることではないかと思うのです。病気や障害に遭遇したことを、いつの日かプラスに考え、そのような経験をした自分にしかできない「何か」を見つける過程こそが、真のリハビリテーションと言えるのではないでしょうか。


オレンジクラブで実践してきた高次脳機能障害者に対する「こころの支援」は、近年の医療制度の枠の中で維持することが難しい現状があります。しかしながら、当事者と人として向き合い、人として行動を起こすマインドがあれば、どのような制度の中でも、どんな環境であっても良いリハビリテーションを行うことができると私たちは信じています。


患者の障害や問題点を見つけ、それを無くそう、補おうと患者のお尻ばかりをたたく支援はもうやめにしようではありませんか。高次脳機能障害と向き合うリハビリテーション、その本当の対象は、それを取り巻く我々自身の心の中にあります。我々自身が変わろうとする勇気、それこそが当NPO法人の活動から生み出されるべき「オレンジスピリッツ」であると考えています。